前回のブログでは、不動産オーナーの方に向けて家族信託の活用場面をご紹介しました。 今回は一歩戻って、そもそも家族信託とはそもそもどんな仕組みなのか、その“基礎構造”を分かりやすくお伝えします。

 家族信託は「銀行の信託」や「銀行の遺言信託」とは違う仕組みです
まず押さえておきたいのは、家族信託は銀行が提供する信託商品とは目的も仕組みも異なるという点です。
〇銀行の信託(商事信託) → 銀行や信託会社が受託者となり、投資や資産運用を目的とした商品が中心。
〇銀行の遺言信託 → 銀行が遺言書の作成サポートや保管・執行を行うサービス。 ㊟「信託」と名前がついていますが、財産管理を家族に託す仕組みではありません!
〇家族信託(民事信託) → 家族が受託者となり、財産管理や将来の承継を家族の中で円滑に進めるための仕組み。
つまり家族信託は、 “家族のための財産管理・承継の仕組み”であり、銀行の商品とは別物です。

家族信託の基本構造(下図を参照)
家族信託は、次の3つの役割で成り立っています。
◆財産を託す人(委託者)
家族信託を始める本人です。 どの財産を、誰に、どのように管理してほしいかを決めます。
◆ 財産を管理する人(受託者)
委託者から託された財産を、契約に基づいて管理・運用する役割です。 多くの場合、子どもなど信頼できる家族が担います。
◆ 財産から利益を受ける人(受益者)
家賃収入など、財産から生じる利益を受け取る人です。 委託者本人が受益者になるケースが一般的です。
◆さらに、必要に応じて 受託者の監督・業務をチェックする役割を担う「信託監督人」を置くこともできます。
上記の関係を契約で明確にすることで、財産の管理や承継を家族の中でスムーズに進められるのが家族信託の大きな特徴です。

家族信託が注目される理由
〇家族信託は、従来の制度では対応が難しかった課題に柔軟に対応できる
〇認知症による資産凍結を防ぎ、家族が代わりに管理できる
〇不動産の管理・承継をスムーズに進められる
〇遺言は1代限りの相続指定にとどまりますが、家族信託なら信託期間の範囲内で “将来の承継を数次にわたり段階的に決めておく” ことができる

きょうのまとめ
前回は不動産オーナーの方向けに家族信託の活用場面をご紹介しましたが、 家族信託はそれ以外にも、さまざまなご家庭の課題に役立つ仕組みです。
家族信託が どんな方に向いているのか を、今後もテーマ別に分かりやすく紹介していきたいと思います!
〇認知症対策として備えたい方
〇相続トラブルを避けたいご家庭
〇障がいのあるお子さまの将来を守りたい親御さん
〇実家・空き家の管理に悩む方
〇事業承継を考える経営者の方
ご自身やご家族に当てはまるテーマを見つけながら、家族信託の活用イメージを深めていただければと思います。